【心電図検定1級】実際に受けてみての対策したらいいこと!

こんにちは、とももっとです。

今年の心電図検定1級を受験いたしました。

今回の内容でどのようなことを勉強したらいいのか、自分なりに考えてきました。

これを勉強したら必ず合格できるわけではありませんが、役に立てられたら幸いです。

正常心電図

四肢誘導・胸部誘導電極の位置

  • 左右の電極の付け間違え。
  • 胸部誘導の電極の付け間違え。
  • 右胸心との鑑別に注意。

新生児・小児等の正常心電図

  • 心拍数、移行帯、軸は正常か。

早期再分極症候群

ST変化

急性心筋梗塞

  • 各誘導からどの冠動脈が梗塞を起こしているか。
  • 下壁梗塞と右室梗塞が同時に起きていないか。
  • 後壁梗塞を見逃していないか。
  • 後壁梗塞と右室肥大の見極め。
  • 心筋梗塞による合併症(房室ブロック等)はどんなものがあるか。
  • 心筋梗塞で起きる鏡面像(mirror image)やreciprocalなST変化がないか。
  • PCI再灌流後のST変化はどのようになるか。

たこつぼ心筋症

  • 急性期のたこつぼ心筋症の特徴はなにか。
  • 亜急性期のたこつぼ心筋症の特徴はなにか。
  • 誘導のST変化はどのようなものがあるか。

心膜炎・心筋症

  • PR部位の変化やrecoprocalな変化はないか。
  • ST変化はどの部位に見られるか。
  • 症状はどのようなものがあるのか。(問題文で症状などがヒントになる)

Brugada型心電図

  • type1のcoved型ST上昇(J点で2mm以上の上昇、陰性T波)の鑑別。
  • type2のsadlle back型ST上昇(J点で2mm以上の上昇)の鑑別。
  • 不完全右脚ブロックとの鑑別。

脚ブロック

右脚ブロック

  • V1でrSr’パターン、Ⅰ・aVL・V5・V6で深いS波。
  • J点でのST上昇がないか。
  • QRS波の前半成分がnarrowで後半成分がwideとなる。

左脚ブロック

  • V1でrSパターンでS波が深く、Ⅰ・aVL・V5・V6でQRS波が上向きで結節や分裂が認められる。
  • V5・V6では中隔性q波(septal q)は認められない。
  • 新規の左脚ブロックは、心筋梗塞を疑う。

左脚前枝ブロック

  • 著名な左軸偏位(-30°~-80°)。
  • Ⅰ・aVLがqRパターンを示す。
  • SⅢ>SaVF>SⅡでrSパターンを示す。

左脚後枝ブロック

  • 著名な右軸偏位(+110°以上)。
  • Ⅰ・aVLがrSパターンを示す。
  • RⅢ>RaVF>RⅡでqRパターンを示す。
  • 右室肥大を認めない。

2枝ブロック

  • 完全右脚ブロック + 左脚前枝ブロック
  • 完全右脚ブロック + 左脚後枝ブロック
  • 左脚前枝ブロック + 左脚後枝ブロック (左脚ブロック)

3枝ブロック

  • 2枝ブロック + Ⅰ度あるいはⅡ度房室ブロック

電解質異常

  • 高K血症
  • 低K血症
  • 高Ca血症
  • 低Ca血症
  • 低Mg血症

それぞれのQT間隔やQRS波の特徴を抑える。

房室ブロック

1度房室ブロック

  • PR時間が0.20秒を超える。
  • P:QRSが1:1に対応する。

Wenckebach型2度房室ブロック

  • P波は一定間隔に出現する。
  • P波に続くQRS波が欠落・ブロックされる。
  • ブロックされた直前のPQ時間は、直後のPQ時間より長い。

MobitzⅡ型2度房室ブロック

  • P波は一定間隔に出現する。
  • P波に続くQRS波が欠落・ブロックされる。
  • Wenckebach型2度房室ブロックと異なり、PQ時間は一定。
  • 非伝導性上室期外収縮との鑑別に注意。

2:1房室ブロック

  • P波は一定に出現する。
  • P波の1つ伝導したら、次のP波は伝導しない。(2:1伝導)
  • 伝導するPQ時間は一定で、正常時間の範囲。
  • 完全房室ブロックとの鑑別に注意。

高度房室ブロック

  • P波は一定の間隔で出現する。
  • 心室に伝導しないP波が、2個以上連続する。

完全房室ブロック

  • P波とQRS波のつながりが全くない状態である。
  • P-PおよびR-R間隔は一定である。
  • P-P間の方がR-Rよりも長い(等頻度解離との区別)。
  • afを基礎調律とした完全房室ブロックを見逃さない。

徐脈

洞徐脈

  • HR50(または60)未満。
  • P波はⅠ、Ⅱ(Ⅲ、aVF)で陽性P波(洞性P)が見られる。
  • P-QRSが1:1に伝導する。

洞不全症候群(Rubensteinによる分類)

  • 洞徐脈(Ⅰ型):原因不明のHR50以下の持続性徐脈。
  • 洞停止・洞房ブロック(Ⅱ型):房室接合部補充収縮あるいは心室補充収縮を伴う。
  • 徐脈頻脈症候群(Ⅲ型):Ⅰ型およびⅡ型を伴い、さらに1回以上の発作性上室性頻拍もしくは心房細動をきたしたもの。

心室に伝導されない上室性期外収縮の2段脈

  • 異所性P’波があるが伝導されないので、ぱっと見房室ブロックにみえる。
  • 異所性P’波がT波に乗っていることがあるため、注意が必要。

異所性心房調律

  • 冠静脈洞調律:陰性P波がⅡ、Ⅲ、aVFで見られる。
  • 左房調律:陰性P波がⅠ、V6で見られる。
  • それぞれの調律でPQ時間は正常となる。

房室接合部調律

  • 陰性P波がⅡ、Ⅲ、aVFで見られるが、QRS波に埋もれていることもある。
  • PQ時間は短縮している。(3mm未満)

洞室調律

  • P波、F波、f波を認めないで、房室接合調律を認める。
  • さらに、高K血症に特徴的なQT時間延長やテント状T波を認める。

頻脈

洞頻脈

  • HR100以上。
  • P波はⅠ、Ⅱ(Ⅲ、aVF)で陽性P波(洞性P)が見られる。
  • P-QRSが1:1に伝導する。

発作性上室性頻拍(PSVT)

上室での頻拍でヒス束を介しているため、①narrow QRS tachycardia ②regular tachycardia ③心室補足がないという特徴がある。

原因が異なる3種類がある。

  1. 房室回帰性頻拍(AVRT)
  2. 房室結節回帰性頻拍(AVNRT)
  3. 洞房結節回帰性頻拍(SANRT)

房室回帰性頻拍(AVRT)

  • narrow QRSのregular tachycardiaで、Ⅱ・Ⅲ・aVFのQRS直後に逆行性P波が認められる。
  • ケント束を逆行するので、Δ波のないQRS波になる。

房室結節回帰性頻拍(AVNRT)

  • common type:slow-fastの順で伝導するので、速伝導路を逆行することで心房と心室の収縮がほぼ同時相になるため、Ⅱ・Ⅲ・aVFで偽性q波偽性S波が、V1で偽性R’波が認められる。
  • uncommon type (稀有):fast-slowの順で伝導するので、遅伝導路を逆行することでP’がQRSから大きく離れた位置に出現するため、RP’>P’Rとなる。

洞房結節回帰性頻拍(SANRT)

  • 洞結節または近傍をリエントリ回路を形成するため、P’波はP波と同一である。(HR140以下のことが多い)
  • PQ時間はさまざまである。

心房頻拍(AT)

  • 洞調律と異なるP’波が認められる。
  • P’波は基線に戻る。

心室頻拍(VT)

  • wide QRS regular tachycardiaで房室解離やcapter beat、fusion beatが認められたら、VTである。
  • その他に、不定軸やaVR initial R波(単相性R波)が認められた場合は、VTを示唆する。
  • 検定では、心室頻拍の起源が問われたりする。
  • 起源の推定は①脚ブロック、②電気軸、③胸部誘導でできる。
  • ①:右脚ブロック型は左室起源、左脚ブロック型は右室起源
  • ②:上方軸は下壁起源
  • ③V3~V6:R波優位なら心室基部起源、S波優位なら心尖部起源

心室細動(Vf)

  • irregularな振幅および波形が認められる。
  • QRS波、ST部分、T波の区別ができない。
  • 基線が不規則に揺れている。

torsades de pointes(TdP)

  • QT延長を伴い、T波に続く心室期外収縮によって誘発される。
  • QRS波が刻々と変化する多型性心室頻拍で、ねじれるように変化していく。

偽性心室頻拍(pseudo-VT)

  • WPW症候群のafである。
  • R-R間隔はirregularで、QRS波の前半成分がwideとなる。
  • T波の時相に心房から副伝導路を通ってくると、Vfが誘発される。

wide QRS

WPW症候群

  • PQ時間が3mm以内で、Δ波によるwide QRS波が認められる。
  • 副伝導路の存在箇所によって、A型(左)、B型(右)、C型(中隔)に分類される。
  • 検定では、Δ波の極性によってさらに細かい副伝導路の存在位置が問われる。
  • V1でABCのいずれの型に分けたら、次に心外膜の否定、誘導はaVF、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを見る。

心外膜

  • Ⅱで⊝

A型

  • aVFは⊕なら左前壁、aVFで⊝なら左後壁
  • Ⅰで⊝または認められないなら左側壁

B型

  • aVFは⊕なら右前壁、aVFで⊝なら右後壁
  • Ⅱで⊕なら右側壁

C型

  • aVFは⊕なら前中隔・中隔、aVFで⊝なら後中隔
  • ⅢでR波の高さ:前>中>後

副収縮

  • 心室の収縮が通常の洞調律と異所性下位中枢(多くは心室)の2つ以上の調律に支配されている状態。
  • 先行する基本収縮と期外収縮の連結期が不定(2つの調律が支配しているため)。
  • 副収縮の間隔は整数倍になっている。
  • 心室期外収縮と間違いないように。

最後に

ここまでありがとうございました!

正直、全部の項目を網羅しているわけではないので、モレがあると思います…

ただ、これを機により深く勉強することでさらに心電図の理解が深まると思います!

会場には、受験票、デバイダー、定規、時計を忘れずに!!

実際の私自身もまだまだ勉強していかないと思いますので、一緒に学んで行きましょう!

最後までありがとうございました!!

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